決まり文句のように繰り返される「サイバー攻撃の脅威が高まっている」というフレーズ。しかし、日本企業のほとんどは、自らを取り巻く現実の脅威が見えていないし、理解もしていない。したがって、対策もできない。その結果、脅威はさらに高まっている。この“負のスパイラル”を断ち切るにはどうすればよいのか。日本企業が置かれた厳しい現状と対策へのヒントを探る。 日本企業が陥っている「負のスパイラル」と米中の覇権争い サイバー攻撃は複雑化・高度化し、日々、脅威の度合いは上昇している。多くの日本企業は、その脅威を薄々感じながらも、本当の現実は直視できていない。サイバーリーズン・ジャパンの増田 幸美氏は、こうした日本企業が陥っている状況を「負のスパイラル」と呼ぶ。 攻撃が高度化し、見えない攻撃が増加すると、攻撃が理解できない。理解できなければ対策は打てず、セキュリティの人員も投資も増えない。サイバーの対処能力は一