北京オリンピックが終了した。 既に多くの人は理解しているだろう。これからが本番だ。 改革開放が鄧小平の「豊かになれる者から豊かになれ」という言葉と共に始まって以来、中国は世界経済へ労働力の供給地として、高度経済成長を続けてきた。中国経済のプレゼンスは拡大し、世界に冠たる大国としての中国という意識は、中央政府から一般市民に至るまでに浸透した。 その自己認識を世界に広げ、自他共に世界の大国となるためには巨大なお披露目のイベントが必要である。それが北京オリンピックだった。 北京オリンピックを盛り上げるため、中国政府はありとあらゆる権力を総動員した。必要な土地は住民を強制的に立ち退かせて収容した。競技施設は地方から出稼ぎに来た「民工」と呼ばれる労働者により突貫工事で完成した。完成後、民工らは北京から退去させられた。北京オリンピックの施設を建設した彼らは、中国政府が世界に威厳を示すためには都