□「詐病見抜くのは難しい」医師困惑 国民の約15人に1人が生涯に経験するとされる「鬱病(うつびょう)」。自殺に結び付かないよう全国での取り組みが本格化する中、鬱病になったと偽り、健康保険の傷病手当金をだまし取っていた男らが1月下旬、秋田県警などに逮捕された。鬱を装うマニュアル、大量のニセ社員…。男らの“共犯者”が産経新聞の取材に応じ、制度を悪用した組織犯罪の一端を明らかにした。一方、精神科医からは「詐病を見抜くのは難しい」との本音も聞かれ、医療現場のジレンマも浮かぶ。(花房壮) ◇ ■月給115万円 秋田県警などに1月24〜26日に詐欺容疑で逮捕されたのは、札幌市豊平区の雑貨販売業「アクア」代表社員、佐野剛(41)、同市東区の無職、七尾龍也(28)ら3容疑者。 3人は共謀し、昨年3月中旬、会社の実体があるように装って秋田社会保険事務局に虚偽の届け出をし、「アクア秋田支店」として健