記者会見で頭を下げる京都府立医大の吉川敏一学長(左)と福居顯二病院長(11日午後、京都市上京区で)=宇那木健一撮影 製薬会社ノバルティスファーマの高血圧治療薬「ディオバン」の効果に関する臨床研究を巡る問題で、京都府立医大は11日、同大学の松原弘明・元教授(56)(2月辞職)らが発表し、その後撤回された論文6本について、データの改ざんがあり、論文の結論は誤りだったとする調査結果を公表した。同社の元社員(5月退社)が身分を明らかにせずに患者のデータ解析を担当し、脳卒中や狭心症のリスクを減らす効果があったように見せかけていた可能性があるとした。 論文は、高血圧患者約3000人を2グループに分け、一方にディオバン、他方に別の降圧剤を投与する2003~07年の臨床試験の結果を分析したもの。「ディオバンは、血圧を下げる効果は他の薬と大差なかったが、脳卒中や狭心症のリスクが大幅に減った」などと結論づけて