新型コロナウイルス(青)に感染して死につつある細胞(緑)の顕微鏡画像。画像は着色してある。(IMAGE BY NIAID IRF) 新型コロナウイルスの感染が拡大し、外出自粛、イベントの中止、バーチャル会議の日々が始まって早1年。コロナ疲れがたまり、安全対策が緩みがちな人が増えた。その一方で、3種類の変異株が出現し、速いペースで全世界に広がっている。感染拡大の速さは、ウイルスの感染性(伝播のしやすさ)が高まっていることを示唆する。 科学者たちは現在、各変異株がもつ変異の組み合わせが、どのような仕組みで感染拡大に影響を与えているのかを解明しようとしている。こうした研究は、現在流行しているウイルス系統の危険性を理解し、将来の変異株がパンデミック(世界的大流行)の推移に及ぼす影響を予測するために不可欠だ。 「世界の多くの地域では、ウイルスの拡大を抑制できていません」と米ミシガン大学の感染症内科医