けったいな短編集、読むと不思議な気分になれる16編。ただし逸品だらけ、しかも、人によってイチオシが違ってくるという奇妙な作品集。 … とはいっても展開が「あさっての方向。」だったり、読み手を韜晦するような難解なストーリーではない。むしろ、悲劇的なラストなのに思わずクスッと笑ってしまったり、日常的な会話から始まって「そこまで行くか!」と叫んでしまうほどトンでもない話へ転がっていったり。 ミステリ、SF、ファンタジーのいずれの枠にも当てはまらない。実際、ヒューゴー賞、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞、世界幻想文学大賞の全てを短編で獲っているのは、あとにも先にもデイヴィッドスンしかないとのこと。 最初の印象は、「残酷なO.ヘンリー」、「ユーモラスなレイ・ブラッドベリ」あるいは「ペダンティックなティプトリーJr.」だったが、進めるにつれ、そのスゴさに魅了されてくる。短編の名手だね、この人。収録作
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