★安田登『本当はこんなに面白いおくのほそ道――おくのほそ道はRPGだった!』(じっぴコンパクト新書176、実業之日本社、2014/01、ISBN:4408331090) 読み始める前の予想をはるかに超えて、『おくのほそ道』はロールプレイングゲーム(RPG)だった。 ゲームに馴染みのない方のために少し説明すると、RPG(Role Playing Game)とは、ゲームを分類する言葉のひとつ。どんなゲームかといえば、創作された世界のなかで、遊び手が登場人物の1人となって活躍してゆくというものだ。現実の自分とは別のキャラクターの役(ロール)を演じる(プレイする)ので、ロールプレイングゲームという。もちろん「プレイ」には「遊び」という意味もある。要するに、一種のごっこ遊びだと思えばよい。 もとは人間同士で遊んでいたものを、後にパーソナルコンピュータが普及するようになってから、これをコンピュータ相手