アニメとは不完全なメディアである。「リミテッド(限られた)・アニメーション」という言葉に如実に表れているように、映像的な「満たされなさ」がそこにはある。アニメの視聴者はその満たされなさを想像力によって補っている。それは、リミテッド・アニメーションが視聴者の「目の錯覚」に依存することで成立していることに等しい。記号でしかない存在を生き生きとしたものへと命を吹き込む作業は、制作者と視聴者によって同時に行われる。アニメとは制作者と視聴者の相互作用によって完全な映像作品へと昇華するメディアなのだ(そのことが個人の思い入れや思い込みを必然的に生じさせるので、同人誌をはじめとした二次創作も隆盛するのである)。その制作者と視聴者の間で生み出されるアニメ独特のリアリズムこそが「アニメ的リアリズム」である*1(アニメ的リアリズムのラディカルな形として「ドラマCD」と「ギャルゲー」が挙げられる。ドラマCDは映