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トヨタ自動車の世界規模でのリコール問題、韓国勢の後塵を拝し続ける薄型テレビ・・・。このところ、世界市場での日本の製造業の競争力減退をうかがわせるニュースがかまびすしい。 日本の主要企業の株価も、上値の重い状態が続いている。世界ベースで株式運用する投資家の関心も低い。 だが、ある日本のセクターが「有望」として一部の投資家の熱視線を集めていることは、あまり知られていない。その業種は、日本人が当たり前すぎる存在として見過ごしてきた分野、コメに関係している。 建設機械の次は農業機械 ブラジル、ロシア、インド、中国の「BRICs」と呼ばれる新興国の急激な経済成長が世界的に注目を集め始めたのは、2000年代初頭だった。実際、BRICs諸国は豊富な資源を武器にして、先進諸国の停滞をよそ眼に右肩上がりの成長を達成した。 こうした時期、日本の株式市場で注目を集めたセクターが建設機械だった。ロシアの鉱山開発、
今週のニューズウィークにも書いたが、JALの年金債務は、日本の他の企業にも通じる深刻な問題だ。日経新聞の今年3月の集計によれば、主要上場企業の年金・退職金の積立不足は総額約13兆円と、前年比で倍増した。この最大の原因は、株安によって年金原資が大幅に減ったためだ。上位10社は次のとおり:日立製作所:6866億円 NTT:5763億円 東芝:5446億円 ホンダ:4566億円 パナソニック:4188億円 三菱電機:4039億円 富士通:4001億円 トヨタ自動車:3929億円 NEC:3483億円 日本航空:3314億円どの企業でも、積立不足の額は積立額に近いか上回っており、年金積立のほぼ半分が不足している。こうした年金債務は現在の会計基準では計上しなくてもよいので「簿外債務」になっているが、今度のJALのように企業が破綻するリスクが出てくると現実の債務となる。国際会計基準が
民主党の鳩山由紀夫代表は8月4日、衆院選のマニフェストに掲げた日米自由貿易協定(FTA)について、農業団体の反発に配慮して見直すことを表明し、菅直人代表代行も農産物をFTAから除外する方針を示した。農業保護を残したままではFTAの締結は不可能なので、「米国との間で自由貿易協定を締結し、貿易・投資の自由化を進める」と明記した民主党のマニフェストは修正される見通しだ。 これは民主党の政策の根幹にかかわる路線転換である。民主党が農業補助金を廃止して所得補償に切り替える政策を打ち出した背景には、農業保護によって農産物市場がゆがんでいる現状を打開する意味があった。現在は国内農家を保護するため輸入農産物に高率の関税をかけているが、これによって食品価格が上がっている。FTAによって関税を下げて農産物の市場を開放する代わりに、輸入される農産物によって農家の所得が減った場合には、それを直接補償するというのが
今、日本の電機メーカーが直面している問題を知りたければ、世界の家電機器の中心地、東京・秋葉原にある大型家電量販店をのぞいてみるといい。 9社もの国内メーカーが携帯電話を生産している。次に白物家電売り場に足を運んでみると、携帯電話を作っているメーカーのうち5社が、掃除機から炊飯器に至るまで、ありとあらゆる商品を陳列している。 さらにそのうちの3社は、店中に買い物客を運ぶエスカレーターまで製造している。端的に言えば、この業界には、幅広い製品を重複して製造する企業があまりに多すぎるのだ。 1つの企業があらゆる分野に手を出す、こうした「スーパーマーケット」戦略は、1960年から1990年にかけての日本の目覚ましい高度経済期には効果的だった。かつては安価で粗悪だった「メード・イン・ジャパン」製品は、世界屈指の品質を誇るようになり、その過程で米国の電機産業を屈服させた。 国内外の顧客は日本製品
霞が関を頂点とした中央集権的な行政システムが日本の国力を奪っている。霞が関は省益確保に奔走、特殊法人は天下りの巣窟となっている。効果に乏しい政策を検証もなく続けたことで行政は肥大化、国と地方の二重、三重行政と相まって膨大な行政コストを生み出している。 さらに、補助金や法令を通じた霞が関の過度の関与によって、地方自治体は「考える力」と自主性を失った。1990年代の景気対策で積み上げた公共投資の結果、末端の市町村は多額の借金にまみれ、住民が望む行政サービスを手がけることもままならない。国と地方の借金総額は約1000兆円。これが、今の行政システムの限界を如実に示している。 増え続ける社会保障コストを賄うため、増税論議が俎上に上がる。年金や医療の信頼を取り戻すためには国民負担が必要だ。それは、国民も分かっている。だが、既存の行政システムには膨大な無駄が眠っている。それを看過したまま増税に応じるのは
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