□パキスタン大統領の辞任 ■情勢悪化すれば核流出の危険性 8月18日、パキスタンのムシャラフ大統領がテレビ演説を行い、辞意を表明した。同氏は演説で〈「反大統領派が自分に対し行っている(憲法違反などの)申し立ては的外れなものだ」としながらも、「議会との対立が深まれば、国家が疲弊する。国益を優先する」と辞意を表明。この後、辞表を下院議長に提出し受理された〉(8月19日産経新聞)。 1999年10月の軍事クーデターで権力を握ったムシャラフ大統領の政治姿勢が民主主義という観点からするときわめて深刻な問題があったことは間違いない。8月7日、パキスタン人民党とパキスタン・ムスリム連盟シャリフ派が大統領弾劾手続きを進めることで合意し、弾劾が議会を通過する可能性が生じた。その場合、クーデターによる政権奪取と2007年11月の非常事態宣言が憲法違反と認定され、ムシャラフ氏に死刑判決が言い渡される可能性