大震災の一発めの大きな地震から一か月(まだ、あと何発も来るかもしれんからね)、今回の震災で思ったことをいろいろな人々が、メディアで口にしはじめている。 面白いのは――という言葉遣いはちょっとどうかとも思うので、そうだなあ、興味深いのは、少なからぬ人たちが、津波で壊滅した現場などを見て、「超自然的な力」とか「人知を超えたなにか」とか「大きなものの意志」とか、とにかくなにやらわからんけど、そんなふうな“神”の力のようなものを感じた、あるいは、そういうものがあるのではないかと改めて考えたといった感想を述べていることである。 これがじつにおれには不可解だ。おれはそのように感じる能力をまったく欠いている。いかにものすごいことが起ころうとも、この宇宙の物理法則を超えたことが起こっているわけがなく、超自然など感じようがない。むしろ、自然現象は、おれたちの現時点での知識や能力など一顧だにせず、いかにただた