「シアター・オブ・ウォー」(以下,ToW)は,ロシアの1C Companyと,コンバットミッションシリーズで知られるBattlefront.comが協力して開発した戦術級RTSだ。日本ではドライブが日本語マニュアル付き英語版で発売している。 1Cといえば,「IL-2 シュトルモヴィク 1946」など,リアリティ命のWWIIコンバットフライトシムが有名なパブリッシャである。そのプロダクトに「コンバットミッション」のBattlefront.comが参画するのだから,どこをどうひねっても,ライトな要素が忍び込みそうにないセッションである。その期待(?)にたがわず,ToWは実に硬派な仕上がりのRTSとなっている。 とはいえ,RTSであるという段階で,普通はある程度ゲーム的色彩が強くなるものだ。例えば第二次世界大戦当時において,戦車同士の交戦距離はだいたい1000mである。歩兵の交戦距離にしても,塹