島根県浜田市で世界初の缶コーヒーをつくった男がいた。ネルドリップコーヒーを極めた男と呼ばれた三浦義武だ。三浦は苦心の末、缶コーヒーの開発に成功し、1965(昭和40)年に「ミラ・コーヒー」を世に送り出した。その開発秘話と三浦の功績を称えるまちづくりを紹介しよう。 缶詰の製造技術を利用して開発 今から50年前の1965(昭和40)年9月14日、三浦義武が開発した缶コーヒーが日本橋三越本店で販売された。商品は「ミウラ」(三浦)と「ミラクル」(奇跡)にかけて「ミラ・コーヒー」と名づけられた。砂糖が入ったミルクなし200g入り缶コーヒーで、販売価格は80円だった。売れ行きは上々で、評判も良かった。翌年3月からは関西地方を中心に百貨店や国鉄(現JR)の鉄道弘済会売店などで本格的に販売された。歴史地理学者で三浦義武研究の第一人者である安来市加納美術館・神英雄館長は次のように解説する。 「1950年代後

