<専門家と一般人のギャップについて> --ITって何、か。それが一言で答えられるくらいなら、研修の講義をどうするか悩んだりしないよ。 「じゃあ、何言なら答えられるの。何時間とか、何日もかかるわけ?」 --そりゃあ、もちろん相手のレベルによりけりさ。一をきいて十を知る人なら1時間もあれば本質は洞察できると思うけど、そんな人ばかりじゃないし。本当は、大学の教養課程あたりで、じっくりと1年間かけてみんなに教えるのを必修にすればいいんだけどね。 「でも、その1年の間に進歩して変わっちゃうんでしょう?」 --だから、それは教え方しだいさ。計算機という機械の構造や、表計算ソフトみたいなパッケージ・ソフトの使い方を教えていたら、たしかに1年で古くなってしまう。本当に大事なのは、情報というものとどうつきあうか、その考え方を身につけることだ。そういうスキルは、古びない。 「じゃ、その考え方を教えてよ。」 -