予算を限らずしかも野心的な公共建築を著名人に発注する施主は、いまいるのだろうか。ロンドンのサーペンタイン・ギャラリーは、その実例だ。彼らはミレニアムを境に過去10年間芸術と人の交点を広げることを目的として、ケンジントン・ガーデンの一角に仮設のパヴィリオンを建ててきた。これまで芸術家オラファー・エリアソンや建築家ザハ・ハディドなどが設計にあたってきた。今年は、妹島和世と西沢立衛の設計事務所SANAAが設計を手がけた建築家である。 芸術×資本主義経済=連続する事件 ロンドンはエクスペリエンス・エコノミー(経験経済)の最先端だが、その渦中でギャラリーとその学芸員は、過去に英国で建築を実現していない著名人に設計を依頼するという方針をたて、設計者や、ユーザー、スポンサーにレベルの高い交流やブランディングのチャンスを提供することで計画を実現してきた。芸術を軸にした仮設の場を、生きた経済として使いこなす
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