勉強は大切だけれど、正しい知識だけを積むのは危ない。 武道を学ぶ際には、受け身の学習が欠かせない。正しい知識を学ぶときにも、正しくない知識の受け止めかたを知らないと、学ぶほどに大けがをする可能性が増えていく。 正しいことと説得できること 正しい知識を積んだ専門家が、ある日いきなり新興宗教に目覚めたりすることがある。そういう人は、学んだ経験こそ莫大だけれど、説得された経験を積んでこなかったのだろうと思う。 それが正しいことと、それが誰かを説得する力を持っていることとは、しばしばなんの関係もない。間違った知識に基づいた論理にたくさんの人が説得されることは珍しくないし、正しい知識を持っていることは、そうした説得から身を守るのに必ずしも役立たない。 正しい知識や、あるいは「努力」を積み重ねてきた人が、説得可能性が高い何かに初めて触れるときが危ない。こういう人は、積んできたものが大きくて、説得される
現代の厄年なんじゃないと誰かが言った。その場に集まった人々の外見は無軌道に異なっていた。ふだんは接点のない者同士で、ただみんな本が好きなので、本の話をしようとして来たのだった。それぞれが初対面であったり、そうでなかったりした。 そうして誰かが言ったのだ。二十八って現代の厄年なんじゃないの。カトウくんそう思って乗り越えなよ、俺も二十八のとき仕事で大失敗して死んでやろうかと思ったもんね死ななかったけど、それでマキノさんは、ほら前に言ってた、一年間で三回交通事故に遭ったってやつ、あれ二十八くらいだよね、ほかの人も、なんか、ない。 どうやら二十八歳のカトウくんが今現在ひどく辛い目に遭っているために、二十八歳厄年説を裏づける話が募集されているらしかった。二十八からひとまわりが過ぎたというシライシさんがそのころの大失恋の話を披露してみんながそれに頷き、シライシさんは次の人を指名する。ケイタもあるでしょ
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