埼玉県所沢市で、使用されなくなっていた給食センターの建物を展示場に使った美術展「引込線」が開かれている。 平成20年に始まり、今回が4回目の開催。もともとは所沢市に在住する数名のアーティストを発起人として、市内の鉄道会社の車両工場を会場に始まった。前回から給食センターに場所が変更されたが、「引込線」という名称が残されている。 今回はベテランから若手まで17人が参加。金属の調理台や巨大な鍋などが置かれた特殊な場で、意表を突く意外性のある作品が目立つ。その元からある設備を利用したのが利部(かがぶ)志穂(31)のインスタレーションだ。 鍋の中に音で反応する照明を仕込ませたり、流し台をシルバーシートで覆ったり、既存の設備に細工を加えることで、なんでもない空間を洗練されたアート空間へと変貌させた。シルバーの配管がむき出しになっていたりして、どこまでが作品なのか区別することができない。空間すべてが作品