この喪失感は何だろう。「ミスター・ラグビー」と呼ばれた平尾誠二さんが亡くなった。平尾さんの最大の功績は、ラグビーの人気と価値を、さらには社会におけるスポーツの価値を高めたことだろう。まだ53歳。スポーツ界にとっては大きな損失だと思う。 20日。六本木では国際会議「スポーツ・文化・ワールドフォーラム」が開かれた。「ラグビーの魅力・ラグビーワールドカップの力」というセッションもあり、ラグビー関係者が大勢、詰めかけていた。その会場で流れた突然の訃報。同じ同志社大学出身の往年の名選手、坂田好弘・日本ラグビー協会副会長は「ほんと残念です」と漏らした。 「元気だったら、この場所にもいたはずですよね。体調が悪いとは聞いていたけど…。奇跡が起こればいいとずっと思っていました。これから日本ラグビーを変えていく人材として、期待していたのに…」 平尾さんの輝きはスペシャルだった。坂田さんはつづけた。 「彼はまさ