コント赤信号のメンバーとして、1980年代からテレビバラエティの第一線で活躍してきたラサール石井氏。近年は舞台演出家としての評価も高いが、テレビ、芸能、時事など社会全般に対する舌鋒鋭い論客でもある。そんな石井氏に、現在のバラエティに感じていることを聞いてみた。 面白いものを作るという制作者の気概が削がれる理由 ――まず、今時のテレビバラエティについて率直に感じられていることは? 大まかな印象ですが、今時の制作者はこの番組がいいと思ったら、すぐ右に倣えしてしまう感じですかね。昔は、他局がこんなのをやっているなら、ウチは違うもので勝負するというのが基本だったと思うんです。まぁ、「ああいう感じで、なんか違うものはできないか」ということはあったと思いますが、少し真似するときはある種の罪悪感というか、後ろめたさは付きまといました。それが今は、もう当たり前のようにパクってしまう。情報系のバラエティの何