味方のゴールを喜ぶ長谷部(右から2人目)。オマーン戦でもチームを献身的に支える姿勢が光った【Getty Images】 11月15日がイスラム歴の新年に当たるせいか、予想以上の大観衆で埋まり、異様な熱気に包まれた14日午後のマスカットのスルタン・カブース・スタジアム。日本の1点リードで迎えた後半32分、開始当初から本田圭佑を徹底マークしていたアンカーボランチ・ムバラクの鋭いFKがゴール右隅に吸い込まれた。この瞬間、スタンドから地鳴りのような大歓声が沸き起こる。日本は小さなミスから敗色濃厚だったオマーンに希望を与えてしまった。 会場全体が騒然とする中、キャプテンマークをつける長谷部誠はチーム全体を派手に叱咤激励した。「顔を上げてやろうぜと伝えたくて。残り10分くらいありましたから」と本人はこの時の心境を吐露した。 アルベルト・ザッケローニ監督はこの後、清武弘嗣に代えて細貝萌を投入。遠藤保