全然話題になっていない展覧会ですが(なんと記者発表に出たのは私一人)、兵庫県立の奥田善巳展、これは60〜70年代の現代美術に関心のある方は見といた方が良い展示なんじゃないかと思います。というのも奥田さんは、あの読売アンデパンダン展に出品していた人で、のちには伝説的な関西の美術作家集団「グループ〈位〉」のメンバーに。さらにのちにはこれも伝説的な展覧会「トリックス&ビジョン」(もの派の出発点になったことで名高い展覧会)に出品した人なんです。 《日曜日のないカレンダー1》(1963)。この当時としてはちょっと大人しい表現かもしれませんが、よく考えるとかなりトリッキーな考え方が仕込まれてる作品です。支持体の上に印刷物を貼り、さらにその上からちぎった紙を貼ったというもの。技法としてはパピエコレなんかと一緒ですが、覆い隠してしまうという否定性が組み込まれている。引き算の表現ですよね。のちの「もの派」の
