■キャリアプラン示せぬ徒弟制度という「悪弊」 「若い人が夢を夢で終わらせないための『階段』を提供するのが会社の役割なんです」――そう言い切るのは、アルテ サロン ホールディングスの吉原直樹社長(51歳)。同社は首都圏で「Ash」、関西圏で「ニューヨーク・ニューヨーク」といった美容室FC(フランチャイズチェーン)を展開。2004年にジャスダックに上場し、M&Aも絡めて店舗網を拡大中だ。 若手社員のやる気をどうアップさせるか、早期に戦力としてどう定着させるかは、昨今の会社組織共通の悩みである。とりわけ美容業界は独立志向が強く、退職率が高い。そのため、長期的展望に立った経営ができないのが常だという。 その背景に、業界に根を張ってきた徒弟制度がある。 「若年のうちは低賃金で働かせるだけで、将来のキャリアプランを示してあげられない。また、独立できても開店に多額の資金が必要なため、多くの人が小さな美容