(山田敏弘:国際ジャーナリスト) 筆者は最近、『CIAスパイ養成官 キヨ・ヤマダの対日工作』(新潮社)を上梓した。 この拙著では、スパイについて幅広く取材を行った。もしかしたら読者の中には、スパイと言われても、「本当にいるの?」または「なんだか胡散臭い」と思う人もいるかもしれない。 ところが現実には、この瞬間もスパイは世界中でうごめいている。 反体制分子を国外で殺害 8月26日、オーストラリア発でこんなニュースが報じられた。 「オーストラリア国内で、これまでにないほどの外国勢のスパイ活動が確認されている」 中国、サウジアラビア、イラン、シリア、北朝鮮、マレーシアなど国外からの諜報員は、オーストラリアに入る自国の移民や難民などをスパイし、彼らをコントロールしようとしているという。 8月27日には、ニューヨークタイムズ紙がこんなニュースを報じている。 「ロシアは、(スパイなどの)工作員をドイツ