なるほドリ 公正取引委員会が医薬品の卸会社を強制調査(きょうせいちょうさ)したんだってね。犯則(はんそく)調査権に基づく調査だと聞いたけど「犯則調査」って何? 記者 今年11月、公取委は独占禁止法(どくせんきんしほう)違反の疑いで、医薬品卸大手4社に犯則調査権に基づいて強制調査に入りました。犯則調査は、裁判所から令状(れいじょう)を受けて行われるもので、差し押さえをしたり、部外者を立ち入り禁止にして捜索(そうさく)したりできます。公取委の通常の立ち入り検査よりも強制力が強いものとなっています。
月1回、一緒にバレーボールを楽しむ益子直美さん(左)と斎藤真由美さん=2019年11月27日午後0時24分、山本浩資撮影 「監督は絶対に怒らないでください」。スポーツ界で指導者の暴力やパワハラが問題になる中、元バレーボール女子日本代表でタレントの益子直美さん(53)が「指導者は怒ってはいけない」をルールにした小学生大会を企画した。「引退するまでバレーがずっと嫌いでした」。現役時代の苦い経験をきっかけに、福岡と神奈川で大会を開催している。なぜ、嫌いだったのか。【山本浩資】 「25年もプレーしていなかったので体が動かない。この前は顔面でレシーブしちゃって」。益子さんは初めて自分で買ったというバレーボールを手に苦笑いした。「マコさんの弟子のマッチョです」と話す斎藤真由美さん(48)は元日本代表のチームメートで、益子さんの顔にボールをアタックした張本人。「ハエが止まるような緩いボールでした」と2人
インタビューに答える奥田知志・NPO法人「抱樸」理事長=東京都新宿区で2019年12月2日、根岸基弘撮影 相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で2016年、入所者19人を殺害し、26人を負傷させたとして、殺人罪などに問われた元同園職員、植松聖被告(29)と拘置施設で接見した牧師がいる。北九州市で長年、路上生活者を支援しているNPO「抱樸(ほうぼく)」理事長の奥田知志さん(56)だ。相模原事件の意味を考え続けている奥田さんに話を聞いた。【東京社会部・銭場裕司】 確信をもって起こした事件 ――昨年夏に被告と接見した時はどんな印象を持ちましたか。 奥田さん 礼儀正しくて、ニュースで見た護送当時の印象とまったく違いました。面会前に手紙を書いて自分の本を送りましたが、彼は手紙をちゃんと読んでいて「きょうは遠いところから来ていただきありがとうございました。本はまだちゃんと読めていませんけど、今後読
アフリカの深刻な食糧問題の解決に、化学の実験によって作った「分子」で挑む研究者がいる。名古屋大の土屋雄一朗特任准教授は、穀物を枯らしてしまう寄生植物「ストライガ」を効率よく撲滅できる可能性のある分子を開発。今後、現地で実証実験をする計画だ。【柳楽未来】 ●被害額年1兆円 深刻なアフリカの食糧問題は、急激な人口増加などに加え、アフリカで古くから「魔女の雑草」と恐れられる寄生植物「ストライガ」によって引き起こされている。 寄生植物とは、別の植物から栄養や水分を吸収し、それを元に成長する植物で、世界には数千種類あるとされている。その一つであるストライガは、トウモロコシなどの穀物に寄生する。自らは高さ1メートルまで成長して鮮やかな紫色の花を咲かせるが、寄生された穀物は栄養を奪われて枯れてしまう。
NHKの連続テレビ小説「ふたりっ子」(1996~97年)に出演し、演歌歌手「オーロラ輝子」役で人気を博した女優の河合美智子さん(51)は3年前、脳出血で倒れた。今も右半身にまひが残るが、「私の体験を話すことで、同じ病気で悩んだり苦しんだりしている方々が、前向きな気持ちになってもらえればうれしい」と、講演やイベントにも活動の場を広げ、東に西に精力的に飛び回っている。【小松やしほ】 「よろしくお願いします」。にこにこと笑みをたたえながらカメラマンの注文に応えポーズを取る。その胸には、赤地に白い十字とハートがデザインされた「ヘルプマーク」が下がっている。外見からは障害や疾患などがあることが分からないが、支援や配慮を必要としていることを知らせるストラップだ。東京都が作製し2012年から配布、10月31日現在で41都道府県に広がっている。「多くの人に知ってもらいたいので、いつも付…
革命歌「インターナショナル」を歌う国際マルクス主義潮流米支部の集会参加者たち=米ニューヨークで2019年11月10日、隅俊之撮影 1989年12月3日、米ソ首脳はマルタ会談で冷戦終結を宣言した。あれから30年。米国を中心とする西側が築いたはずの国際秩序は揺らぎ、新たな対立や分断が生まれている。混沌(こんとん)としたこの冷戦後の時代のその後(ポスト)に、私たちを待ち受けているのはどんな世界なのか。 マンハッタンに響く革命歌 <アライズ ヤ プリズナー オブ スタベーション(立て飢えたる者よ)……>。木枯らしが吹く11月10日の米ニューヨーク・マンハッタン。雑居ビルの一室で2日間にわたって開かれた集会が終わりを迎えると、約90人の若者らが立ち上がって拳を振り、歌い始めた。革命歌「インターナショナル」。30年前、米国は資本主義を掲げる西側陣営を率い、東西冷戦を終わらせた。だが、その米国の経済の中
北極圏・グリーンランド 「宝の島」米中露覇権争い 資源、航路求め進出加速 「地政学的にはグリーンランドはデンマーク領ではなく、昔も今も米国の一部だ」。1万8000人が暮らすグリーンランド南西部の最大都市ヌーク。地元主要紙「セルミッテシアーク」のポール・クラルップ編集長が、かつての米領事館を背にそう語った。灰色がかった木造の建物。カラフルな周囲の家々とは異質の雰囲気を醸し出している。 1940年、米国はナチス・ドイツのデンマーク占領を機に安全保障上の戦略から領事館を開設。その後、グリーンランドを保護下に置き、各地に軍事基地を設けた。領事館は53年に閉鎖され、この建物は現在、地元行政機関の事務所となっている。
巨大な氷山の一角が地鳴りのようなごう音を立てて崩れ落ち、猛烈なしぶきとともに海面を打った。デンマーク自治領グリーンランドの西部、イルリサット。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録されたフィヨルド(氷河による浸食で作られた入り江)を9月下旬に訪ね、地球の異変を目の当たりにした。 欧州を今年の夏に襲った記録的な熱波は、北極圏にも達した。グリーンランドでは真夏でも10度を超えるのはまれだが、この7月は連日20度前後を記録。ひと月だけで琵琶湖7杯超にあたる1970億トンもの氷解水が海に流れ出たという。 北極圏は気候変動の影響が顕著に表れる地の一つだ。氷解は過去数百年で例のない速度で進んでいるとされる。日本の6倍の面積を誇り「世界最大の島」と呼ばれるグリーンランド。先住民族のイヌイットを中心に約5万6000人が暮らしている。
南米アルゼンチンで27日、任期満了に伴う大統領選が実施され、野党の左派、アルベルト・フェルナンデス元首相(60)が中道右派のマウリシオ・マクリ大統領(60)ら5人を破って初当選した。4年ぶりの左派政権復活となるが、破綻寸前の財政をどう立て直すか、重い課題を背負っている。フェルナンデス氏は12月10日に就任し、任期は4年。【ブエノスアイレス山本太一】 フェルナンデス氏は27日夜、首都ブエノスアイレスで支持者を前に「私たちは戻ってきた」と勝利宣言。マクリ氏と28日に平和的な政権移行に向け協議を始めると明かした。
過去に技能実習生として働き、新たな在留資格「特定技能」で再来日したインドネシア人男性、ビマさん=埼玉県上尾市で2019年9月24日、根岸基弘撮影 外国人労働者の受け入れ拡大に向け、在留資格「特定技能」が創設されてから半年が過ぎた。昨年の国会審議で受けた「拙速」との指摘通り、今のところ新資格の取得者数は伸び悩む。人手不足が深刻な地方からは不満も漏れる中、整備が急ピッチで進む。【村上尊一、金子淳】 9月18日、「特定技能」を取得したインドネシア人のビマ・アジ・ヌグロホさん(26)が羽田空港に降り立った。1年7カ月ぶりの日本。受け入れ企業の従業員を見つけると、笑みがこぼれた。「もう一度、日本に来られてうれしい。また頑張ります」 ビマさんは2015年、技能実習生として来日。埼玉県上尾市の井上鉄工所で、100分の1ミリ単位の精度が求められる金属部品加工に励んだ。給与は母国の約2倍。日本のものづくりを
アルゼンチン・ウシュアイア編(3) “地球最南端の鉄道”の沿線に広がっていたのは、100年近く前に囚人によって切られた木の切り株が、腐りもせず、こけにも草にも覆われず、若木に取って代わられることもなく、そのまま点々と散らばる草原だった。温暖な日本ではありえない光景に、この地に1万年近く前から生をつないできた先住民の暮らしはどんなものだったのか、思いをはせる。
逮捕された少年たちの口から反省の声も聞かれ始めました。毎日新聞は事件の11年後の2000年6月、改めて逮捕された少年とその母親を取材し、罪の深さに苦しむ声を伝えています 私は記者として100件以上の殺人事件を取材しました。もちろん人の命に軽重はなく、どの事件も悲惨で残酷であることには変わりはありません。また未解決の事件は遺族の方々の無念を思うと胸ふさがれるものがあります。しかし、最も重く胸に沈んでいる事件と聞かれれば、今回取り上げる綾瀬・女子高生コンクリート詰め殺人事件を真っ先に挙げます。平成に入ってまもなくの1989年3月に発覚したこの事件は、その陰惨さにおいて犯罪史を画するものです。 事件を振り返りながら、犯罪被害者の人権と報道について考えます。
ボリス・ジョンソン氏が英国首相に就任した。彼は、3年前の英国民投票において欧州連合(EU)離脱派が勝利した際の立役者だった。前途は多難である。 問題は、彼が離脱派であること自体にあるわけではない。残留に票を投じたメイ前首相は、うまくこの争点を扱えなかった。投票結果を踏まえれば、むしろ離脱派の首相の方が国論をまとめやすいのかもしれない。 しかし、彼の場合、そうなる見込みは薄く、分断を深めそうである。まず、信頼性の問題がある。国民投票でEU離脱賛成を表明する数日前に残留賛成表明の草稿を書いていたのだから、無理もなかろう。要は機会主義者なのだ。それが、外交上の機知につながればよい。しかし、漏れ伝わる外相時代のエピソードには驚かされる。訪問相手国についての不都合な事実を外交官に聞かされると、耳をふさぎ、英国歌を歌いだすという。
「報道の自由のための国際会議」に参加したアマル・クルーニーさん(左)とハント英外相(当時)=ロンドンで7月10日、ロイター 英国とカナダ政府の主催による「報道の自由のための国際会議」が7月、ロンドンで初開催された。世界各地では近年、ジャーナリストの拘束や殺害が相次ぐ。人権や民主主義が重視されているはずの欧米などの先進国でも記者や報道機関への圧力が強まっており、「報道の自由」の危機を訴える声が高まっている。【横山三加子】 銃撃で犠牲者「安全研修へ基金を」 「ジャーナリストを守り、彼らの仕事を擁護することは自由な社会にとって不可欠な柱だ」「報道の自由は西欧諸国側だけではなく世界共通の価値観だとはっきりと訴えたい」--。 7月10日、ロンドンで開かれた「報道の自由のための国際会議」で、ハント英外相(当時)がそう強調した。
日本の大学院教育について「憲法の精神が全く守られていない」と危機感を示した野依良治・科学技術振興機構研究開発戦略センター長=東京都千代田区で2019年7月24日、竹内紀臣撮影 日本の大学院が不人気だ。大学院(修士課程・博士課程)に通う学生数は2011年の25万759人をピークに減り、最近は23万人台が続く。特に、修士課程から博士課程への進学者が大幅減、博士課程で定員割れが相次いでいる。米国や英国など研究開発費が多い国のうち、日本だけが人口当たりの博士号取得者が減る傾向にあるとの調査結果も明らかになった。若者にとって研究者が魅力的な進路ではなくなっているといえる。 さらに、日本発の論文の数や質の低下が深刻になっており、「科学技術創造立国」を掲げる日本にとって、かなりお寒い状況だ。これに、ノーベル化学賞受賞者である野依良治・科学技術振興機構研究開発戦略センター長が危機感を募らせている。毎日新聞
【Q】げっぷやおならが頻繁に出て、胃腸の調子も今一つです。検査で異常はなく、呑気(どんき)症と診断されました。処方薬を飲んだりしていますが、改善しません。(奈良県、73歳、女性) 【A】おならやげっぷは生理現象ですが、本人が両方またはいずれかをコントロールできないほど多発する状態が呑気症です。2000人以上を診察しましたが、10代から高齢者まで幅広く、男女差はありません。原因は、唾液の飲み込みです。 特に臼歯を合わせた状態では、1回の唾液飲み込みで3~5ミリリットルの空気が同時に胃に送り込まれます。つまり、飲み込み頻度が多いと、おならやげっぷも増える傾向になります。 臼歯をかみ合わせる理由は、その人の癖だけでなく、「固唾(かたず)をのむ」という言葉があるようにストレスによる緊張の関与があります。あごを動かす筋肉が緊張するので、頭や首、目の痛み、肩こりなど多様な症状が表れることがあります。
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