その内容は慈愛に満ちた言葉が連なっていましたが、緩和ケアの専門家が今まで大切にしてきたアイデンティティを自らの手で放棄する「緩和ケアの自殺」を思わせるものでした。 この新型コロナウイルス(以下コロナ)に翻弄された3ヶ月を思い出しながら、私の考えを皆様に伝えたいと思います。 現在私は、自分が開業した在宅医療中心の、特に緩和ケアを専門としたクリニックで患者を診療すると同時に、非常勤勤務として、神戸市立医療センター中央市民病院で最新の治療を受けている患者の治療にあたっています。 新型コロナウイルス感染の始まり2020年3月に入ってから、私の住む神戸でも最初のコロナ感染の患者が発生しました。学校は一斉に休校となり、私の家でも子供達が家に留まるようになりました。 最初はああ、あのときと同じだと11年前を思い出しました。2009年の5月にこの神戸でもパニックになった新型インフルエンザ流行の時を思い出し
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