「理解した」 「よく分かった」。 自分自身の手癖や執着について、「理解した」と答える人がいる。また、「あなたの心は○○△△です。分かりましたか?」という語りかけに納得を示す人がいる。そしてこうした人達を対象とした「わかりやすい心理学」「あなたのコンプレックスはこれだ!」みたいな帯のついた新書が、本屋に行けば山のように売られている。 実際、それらの本は中学生でも読解可能なほど分かりやすい。断定口調ではっきりと、あなたはこのタイプだ、と教えてくれる本もある。“とてもわかりやすい”。 しかし実際に“わかった”としても、だからどうだというのだろうか。自分自身の手癖や執着を理解したとしても、それだけでは何の意味も無い。理解は、実践や改変や制御へと結びつかなければ、単なる“わかった”という自己満足があるだけである。“わかった”ことに喜びを感じるだけで終わってしまえば、それはライフハック記事と何ら変わり