ネットの進化は、言論の世界も大きく変えた。ウェブ上を連日、膨大な「論」が流れ、時に激しい敵意も飛び交う。転換期の言論空間は、どうあるべきか。精神科医の香山リカさんに聞いた。 ◇ いくつかのウェブメディアで連載を持っている私だが、いちばん力を入れているのはSNSのツイッターにコメントをくれた人たちとのやり取りだ。もちろんすべてに目を通すことはできないが、特に「匿名」での「賛意ではなく批判(罵倒や誹謗(ひぼう)中傷もある)」に応じるように心がけている。そういう人たちと直接、やり取りできることこそ、SNSの最大の醍醐味(だいごみ)だと思うからだ。調査目的でそうしているわけではないが、連日、そんな対話を続けていて気づいたことがある。 まず、SNSでは理屈やデータよりも「1枚の写真」、つまり視覚的イメージが説得力を持つことだ。たとえば先日は「沖縄・辺野古での米軍新基地建設への抗議活動をする人の大半は
![「新潮流に希望の芽、批判との対話続ける」香山リカさん:朝日新聞デジタル](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/7e9f8e305fb3320ca47dfccdf308a06ea202a7e7/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.asahicom.jp%2Farticles%2Fimages%2Fc_AS20180816002926_comm.jpg)