ここまで、リビアへの「人道的介入」に関して、かの国の旧宗主国イタリアにおける懐疑的意見を紹介しつつも悠長に論じてきた。英・仏・米を中心とする「人道的介入」が開始されてすでに一カ月も経過したものの、いまだ我が国の情報産業――具体的には毎日新聞が典型的である――では、このような大変な事態を当然視しているか、そのようなニュアンスを加えなくても事実上の許可を与えているかのどちらかである(何の分析的・批判的視座もない速報ないしは「客観報道」なるものは「黙認」の別称に過ぎない)。念のため言っておくと、わたしは特別に「カダフィ支持」を訴えたいのではない。今回の文章を準備するうちに見かけた、日本人の運営するサイトの中でも、堂々とそのように公言しているところがわずかながらあったのだが、なぜかそれらには「アメリカ・ユダヤ人の金融資本による巨大な陰謀が」とか、「その世界支配を打破することができるのは小沢一郎しか