●なまはげが入れない家● なまはげはこの時ばかり自由に殆どの家を訪れることができる。しかし、一年間に不幸やお産のあった家には、なまはげが入ることができないことになっている。これは、なまはげが穢れを嫌うことからきていると説明され、そのような家の人はなまはげ行事に加わることもできない。また、家を新たに普請(ふしん)した場合にも訪問しないところもある。病人のいる家も同様である。新仏のいる家では門松や注連繩(しめなわ)をつけないことから、なまはげは玄関先で足踏みをした。これを門踏みといった。 ●なまはげの先立ち● なまはげは二疋から三疋を一組とするところが多いが、この組ごとに必ず先立(さきだ) ちがついて廻る。先立ちはなまはげの訪れる家になまはげより先に訪問し、その家に入ってもいいか悪いか、不都合はないかをうかがうものである。不都合のない家は上がって、そこまでなまはげが来ていることを伝える大事