中国共産党と人民解放軍が仕掛ける謀略工作を、米専門家らが「政治戦争」と名付けて警鐘を鳴らしている。日本や米国、台湾をターゲットに、国内の意見や認識を中国側に有利に誘導するものだ。一部のメディアや識者の偏向も、これに当たるのか。米紙ニューヨーク・タイムズや、英紙フィナンシャル・タイムズの東京支局長を歴任した、英国人ジャーナリスト、ヘンリー・S・ストークス氏が直言した。 ワシントンで今年秋、「中国の東アジアや同盟諸国への政治戦争」というシンポジウムが開かれた。私はその内容を確認したが、まさに日本への警告といえるものだった。 中国による「政治戦争」のターゲットは3つ。第1は、対中外交に関わる政府高官や財界人。第2は、元外交官や元軍人など政府に近いエリート。第3は、外交や安全保障を担当するジャーナリストや大学教授らだ。そこから、一般国民への波及を狙っている。 米国防総省OBは「中国の工作活動を実行