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【第39回九州芸術祭文学賞最優秀作】 黒い顔 近藤勲公 【選評】秋山 駿・五木寛之・村田喜代子 ポルト・リガトの館 横尾忠則 ブーゲンビリア号の船長 青来有一 少女煙草 赤染晶子 連載小説 常夏の豚 第二十八回 矢作俊彦 心はあなたのもとに 第二十三回 村上 龍 象牙色の賢者 第十三回 佐藤賢一 路 (ルー) 第四回 吉田修一 モンフォーコンの鼠 新連載第二回 鹿島 茂
奥泉光氏の新作長編小説『神器―軍艦「橿原」殺人事件―』(以下『神器』)は、昭和20年の大戦下を舞台に、時空を超え国を超えた壮大な日本論、日本人論が展開される、軍記、ミステリー、そして純文学がミックスされた大作です。さまざまなジャンルを融合させる創作現場のお話を、4つの視点から伺いました。 ●軍記小説『神器』の作者に訊く ――『神器』では軍艦が舞台になっていますね。 奥泉 そうです。「橿原」という架空の軽巡洋艦が舞台で、ほとんどそこから離れない。最初は戦艦大和にしようかと思ったんですが、それだと史実からあまり離れることはできないので、架空の船を作り出しました。 ――軍艦を舞台にしたわけは? 奥泉 船というのは、一度海へ出てしまえば、とりあえず外からは切り離されて、一個の小宇宙を形成することになる。世界全体を映し出す強力なメタファーたりえることが作家にとっては大きな魅力だと思います。閉じられた
奥泉光氏の『石の来歴』、『三つ目の鯰』を読了。 非常に密度の濃い読書体験であった。 ここ最近、奥泉氏の著作を固め読みすることにして『バナールな現象』、『モーダルな事象』と続き三冊目に表題作『石の来歴』と『三つ目の鯰』、二つの中編を所収するこの本を読んだのだが、どうやら奥泉氏は作品ごとに文体や作風を変えているようだ。 正確にフィルモグラフィを辿ったわけではないのだが、比較的初期に類する『石の来歴』、『三つ目の鯰』は作家本来の欲望に抗い、正統に徹している感がある。その自制心がいい意味で揺るぎない強度を生んでいる印象を受けた。 その正統性を買われたのか『石の来歴』が芥川賞受賞作となっている。 その点、幾度となく候補に上りながら選に漏れ続けた島田雅彦氏と好対照である。奥泉氏を優等生とするなら、島田氏は落第生とも言うべきか。島田氏がマゾヒスティックな自意識過剰を決めポーズに、硬軟取り混ぜたレトリック
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