天保13年6月、天保の改革の一環として役者絵・遊女芸者風俗の絵を出版することを禁じるお触れが出され、錦絵の出版界は大きな打撃を受けた。しかし、それはかえって国芳に縦横無尽に戯画の筆を揮わせることとなった。 「戯画」は、ときにカリカチュア、風刺画として説明されることがあるが、国芳の戯画に毒はない。底抜けに明るく、ファンタスティックな夢に溢れている。 みんな一緒に生きている このシリーズは、これまで8図が確認されていたが、「ぼんぼん」は、新たに発見された9図目の作である。中判(大判の半分のサイズ)のシリーズの場合は、通常、2図が1枚の大判の版木で作られることから、本図の登場は、10図目も制作されていた可能性を示す意味でも重要である。 「ぼんぼん」とは、お盆の頃、手をつないで横に列を作り、歌を歌いながら歩く子どもたちの遊び。江戸では女の子だけがこの遊びをしたと伝えられる。 上部から下がる金魚藻は