地場産業の振興が思うに任せない中で若者の流出と住民の高齢化が進み、本県農山村部の過疎化進行が一段と速度を増している。県や市町村が懸命に政策取組しているにもかかわらず、残念ながらその勢いを押し止めることは難しい。そうした折、経済環境や住民の価値観変化を背景に、従来とは異なる観点から地域再生に取組もうとする様々な動きが、行政や地元産業界に出始めてきた。まだ目立った成果をみるまでには到ってないが、地域の将来を拓く新たな方向として期待される。 1 進む過疎と集落存続の危機 「過疎地域」といえば、一般的には人影もまばらな農山村等をイメージするが、公式には人口が長期にわたって減り続けて財政力などが一定規準を下回ったような地域のことをいい、総務省が法律に基づき市町村単位で指定する(*1)。これに該当する地域は全国的に増加する傾向にあるが、とりわけ秋田県では25市町村のうち既に20市町村(図表1)が指定を