ブックマーク / brevis.exblog.jp (8)

  • トラブルには技術的原因と、マネジメント的原因がある | タイム・コンサルタントの日誌から

    トラブルの原因分析について、このところ2回にわたって考えてきた(「熱気球の浮上、または原因分析のシステムズ・アプローチについて」・「経験から学びすぎることの危険 ~ゆらぎある事象の原因分析について」 )。原因分析の手法にこだわっているのは、それが「学び」と「成長」の鍵だからである。自らの能力を向上させ、成長するためには、仕事の結果(成果)から学ぶべきだと、わたしは信じている。個人も、組織集団も、である。 仕事の結果としてトラブルが生じたら、そこから素直に学ぶ。成功からも学べるが、失敗から学ぶ方が、記憶に強く残るからだ。そして(当然ながら)すべてに成功できる人なんていない。あの田宗一郎だって、「自分は失敗ばかりしていた」と言っているくらいだ。他人から見たら成功でも、自分ではそこに足りない点を見る、というのがこの経営者の卓越した点だったのだろう。 さて、繰り返すが、『根原因』Root Ca

    トラブルには技術的原因と、マネジメント的原因がある | タイム・コンサルタントの日誌から
  • マネジメントとリーダーシップはどう違うか | タイム・コンサルタントの日誌から

    大学でプロジェクト・マネジメントを週1回教えていることは前にも書いたが、授業は毎回必ず、前回の復習と、学生から出た質問への答えからはじめることにしている。出席シートに質問欄を設けて、そこに気になったことへの質問をかいてもらうのだ。むろん授業でも最後に「質問は?」ときくのだが、だいたいの学生はなぜかその場では質問せずに、紙に書いてくる。 いろいろ出た質問の中から、いつも「日のBest Question」を選出し、その質問者の名前を明示してほめることにしている。良い質問を考えることは、単に回答を考えるよりも、ずっと価値があるからだ。一般に、マネジメントの問題には正解がない。正解がない中で、自分で考えて決めていかなくてはならない。これは、たくさんの正解を覚えてどれだけ早く答えるかを競ってきた東大みたいなところでは、とくに大切だ。 さて、「マネジメントとは何か」という授業をやった後で、面白い質問

    マネジメントとリーダーシップはどう違うか | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 物流センターとは何か | タイム・コンサルタントの日誌から

    物流センターとは何か。それは、物流のセンターである・・と答えたら、正解だろうか? 物流とはモノの流れ、すなわち販売者(生産者)から消費者へのモノの移動と輸送のことを指すのが普通だ。だとすると、産地も消費地も全国にちらばっているのだから、物流に「センター」があるというのはおかしな話ではないか。全国をカバーするJRの鉄道に、どこか「中心」があるだろうか。全国の高速道路網の、どこがセンターなのか? もちろん、そんな意味ではない。物流センターとは、企業あるいは商品(群)にとっての、物流のハブなのだ。「ハブ&スポーク」の意味はご存じだろう。ハブはものの流れの集まる焦点であり、またそこから流れが出る中心である。つまり、モノが大量に・頻繁に出入りする施設をいう。そこにモノを在庫・保管し、そこから仕向先にモノを出荷する機能を持つ、施設。これが物流センターだ。モノを分配・配送する拠点。英語ではDistrib

    物流センターとは何か | タイム・コンサルタントの日誌から
    Mint0A0yama
    Mint0A0yama 2015/06/16
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  • とれるだけ仕事をとってはいけない : タイム・コンサルタントの日誌から

    最初に、損益分岐点の説明からはじめよう。企業は、製品やサービスを売って売上を得る。しかし、世の中にタダの物はないので、そこには必ず費用(原価)が発生する。その費用が製品の販売数量に単純に比例する場合、企業は売上に比例した利益を得ることになる。この関係を図(a)に示す。横軸は、売上である。工場の視点から言うと、売上向上すなわち稼働率向上を意味するから、横軸は稼働率と見てもよい。縦軸は金額で、実線が売上高を、点線が費用を示す。費用は純粋に、売上高に比例する。これを変動費ともいう。売上に伴って、変動するからである。たとえば製品を作るのに必要な原材料の購入費がそうだ。あるいは、製品を加工するための外注費などもそうだ。 ところが、企業にはこれとは別に、売上高にまったく関係なく、固定的に発生する費用がふつうある。これを固定費という。その典型例は、設備機械の減価償却費である。あるいは、従業員の給料なども

    とれるだけ仕事をとってはいけない : タイム・コンサルタントの日誌から
  • 在庫をどの形で持つか — 在庫管理論を再考する(2) | タイム・コンサルタントの日誌から

    前回、このサイトでわたしは「在庫というものの意義をちゃんと積極的に評価して、そのコストやリスクに見合う適切な活用方法を考えるべき」だ、と書いた。「そのコストやリスク」のうち、『在庫のコスト』とは、前回も説明したとおり、保管費用と在庫金利に代表されるコストである。 それでは『在庫のリスク』とは何か。代表的なものは二つある。保管期限切れリスクと、不動在庫化のリスクである。在庫品目の中には、保管期限のあるものが存在する。電子材料系や化学品などに多いが、一定の有効期限がある。飲料・品などでは賞味期限というかたちをとる。いずれにせよ、ある一定の期限を過ぎたら、在庫として無価値になってしまうのだ。したがって、基的には保管期限が来る前に、使い切ってしまわなければならない。ちなみに生産スケジューリングの分野では、とくに中間在庫品に有効期限のある問題は、解くのが最も難しい部類に属する。これに保管スペース

    在庫をどの形で持つか — 在庫管理論を再考する(2) | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 進捗管理とは何か? | タイム・コンサルタントの日誌から

    「進捗(しんちょく)管理」は広く使われている用語だが、じつはかなり誤解されている仕事でもある。製造業の基はQCD(Q=品質、C=コスト、D=納期)であり、それぞれをきちんと管理していかなければいけない。Qを対象とするのが品質管理であり、Cが原価管理(コスト管理)で、Dつまり納期を守るために進捗をきちんとコントロールすることが、進捗管理の任務である、と。まあそこまでは良いだろう。 ところが、この『進捗』なる概念がくせ者なのである。これほど誤解されやすいものはないのだが、わたしがそう言うと、不思議そうな顔をする人もいる。作業がどこまで進んだか、それが進捗ではないか。とてもシンプルだ--そう思う人は、次の例を考えてみていただきたい。 これは国策である「北海道開発プロジェクト」にまつわる話である。ご存じないかたも多いだろうから解説しておくが、戦後まだ間もない昭和25年に『北海道開発法』という法律

    進捗管理とは何か? | タイム・コンサルタントの日誌から
  • Pushで計画し、Pullで調整する | タイム・コンサルタントの日誌から

    わたしが以前から所属している「生産革新フォーラム」(Manufacturing Innovation Forum、通称「MIF研」)は、中小企業診断士を中心とした生産系コンサルタントの集まりである。毎年2回、工場見学を実施することをモットーとしており、昨年夏には慶応大学管理工学科の学生さんたちと合同見学会を実施したりした。製造現場をほとんど全く知らない学生と、それなりに経験を積んだ診断士では当然、同じ工場を見ても目をつけるポイントが違う。しかし学生さんにも素人ならではの意表を突く着眼点があり、交流してみるとなかなか楽しい。 そのMIF研で、もうけっこう前になるが、九州までの工場見学旅行があった。二日がかりでトヨタと日産の工場を一日ずつ回って見学し比較する、という興味深い企画で、わたしも行きたかったのだが、諸事情で参加できなかった。ただ、行ってきた仲間の報告が、とても面白い。トヨタと日産の生

    Pushで計画し、Pullで調整する | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 在庫は本当に悪なのか — 在庫管理論を再考する | タイム・コンサルタントの日誌から

    少し前、生産管理に関して人前でお話しさせていただいたときのことだ。“納期遅れを防ぐために、もっと積極的に在庫を活用しよう”という趣旨の説明をしたあとで、ふと心配になって、セミナーの受講者の方にこう質問した。——皆さん、在庫は悪だと思いますか? すると、40名近い受講者がほぼ全員、「悪だと思う」という答えの方に手を上げた。わたしはちょっと驚いて、前に座っていた方にたずねた。 ——どうして、悪だと思うのですか? 「だって、置いておけば、コストがかかるでしょう。場所代とか。在庫がなければかかりません。」というのがその人の答えだった。 ——たしかに、どこか倉庫を借りておいておけば、保管費用がかかりますよね。でも、失礼ですが、御社の工場は借地ですか? もし自社の敷地だとしたら、工場の隅っこに置いておいておけば、1円もコストはかかりませんよ? 「それは、そうかもしれませんけれど・・金利がかかります。」

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