1979年にテレビアニメ化された『赤毛のアン』。その物語の冒頭を高畑勲監督自身が再編集をし、劇場版に。知られざる名編集版、2010年7月17日、ついに劇場公開! アンは「ユーモア小説」。 それを発見したことが、僕の一番の功績かもしれない。 ―劇場版「赤毛のアン〜グリーンゲーブルズへの道〜」が公開されることになりました。これは制作当時、公開に至らなかった作品と伺っているのですが、そもそも、どういう経緯で出来上がったものなのですか。 高畑 テレビシリーズで評判になった名作ものを、総集編みたいにして劇場でもやりたいというのは「ハイジ」でも「母をたずねて三千里」でもあった。僕はそういうのは大嫌いで、絶対やりたくない。劇場用に作っていないんだから、52話分をいくら刈り込んでもロクなものにはなりません。有名場面を綴り合わせてお茶を濁すしかない。せっかく丁寧に描いた日常の魅力をみんな取り落としてしまう。