東京電力福島第一原発。左奥から右へ1、2、3、4号機。森だった場所には、タンクがびっしり=本社ヘリ「まなづる」から 放射性物質をまき散らした東京電力福島第一原発は混乱を脱したようにみえる。ただ、事故から二年がたっても、壊れた原子炉や溶融した核燃料の詳しい状況は不明で、廃炉への道はかすんでいる。福島の避難住民はいまだ十五万人超。原発問題の原点は、こうした厳しい現実にある。 <使用済み核燃料>4号機の1533体は11月取り出し開始 廃炉まで三十~四十年と言われる。目に見える形で進むのは4号機使用済み核燃料の取り出しへの動きだ。 既に原子炉建屋の最上階が取り除かれ、その脇に使用済み核燃料を取り出すための逆L字形の骨組みの建設が進んでいる。 建屋が大破しているため、骨組みは建屋に重量をかけないよう独立した構造。核燃料取扱機とクレーンを内蔵し、二台がプールからの搬出、地上へのつり下ろしを分担する。取