東京大医科学研究所が開発したがんペプチドワクチンの臨床試験で、医科研付属病院の患者が消化管出血を起こした情報をワクチンを提供する他の病院には知らせていなかったと朝日新聞社が報じた問題で、日本癌(がん)学会(野田哲生理事長)と日本がん免疫学会(今井浩三理事長)は22日、朝日新聞社に対する抗議声明を公表した。 問題になっているのは、今月15、16日に掲載された一連の記事。癌学会ホームページに掲載された抗議声明では、「大きな事実誤認に基づいて情報をゆがめ、読者を誤った理解へと誘導する内容」と批判。同社に速やかな記事の訂正と謝罪を求めた。 一方、記事で触れられたオンコセラピー・サイエンス社(本社・川崎市、角田卓也社長)も同日、誤った記事によって「株価が一時ストップ安となり、約83億円の損失となった」として、朝日新聞社に抗議文を送った。