米子市にあるYAJINスタジアム。入り口にはネーミングの由来となった岡野雅行の写真が飾られてある 【宇都宮徹壱】 ガイナーレ鳥取のGK小針清允にインタビューした翌日の朝、鳥取駅発の特急まつかぜで米子に向かう(およそ1時間弱の移動だが普通列車だと1時間40分かかる)。鳥取県は大きく東部、中部、西部地区に分かれていて、東部の鳥取市は政治の中心、西部の米子市は商業の中心とされている。なるほど確かに、乗客の服装を見ると、これから商談に向かうようなスーツ姿の男女が多い。とはいえ、列車は特急といいながら、わずか2両編成。しかも車窓から見えるのは、山と田んぼと古い民家というのどかな風景が続いている。 これまで鳥取には何度も取材で訪れているが、実は米子を訪れるのは今回が初めて。その第一印象は、鳥取と比べて街の雰囲気が開放的であることだ。かつて東部は因幡(いなば)の国、西部は伯耆(ほうき)の国と呼ばれていて