いいものは高い。それは「家」も基本は同じ。 とはいえ、家の場合は特に予算に余裕がないですから、建築家たちも「どのようにしたら低価格でいいものを提供できるか」を日々考えています。 そこでは「そぎ落とすもの」「大事にするもの」の取捨選択がとても大事になります。 今回は1,000万円台前半で実現した、広島県に建つ「革工房の音色」という物件の、とても上手なそぎ落とし方を見てみましょう。 「革工房の音色」は、風景のある家.LLCにより、革職人の工房兼住居として設計されました。 見た目はシンプルで、軒の出がない、いわゆる家型の家。 延床面積86.53㎡と、決して小さな家ではありません。 しかし前述のとおり、この物件は1,000万円台前半という低価格で建築されています。低価格の裏には、さまざまな工夫と取捨選択が行われているのです。 まず特徴的なのは、その形。 玄関側の面の長さが4.5mなのに対して、奥行