ブックマーク / jun-jun1965.hatenablog.com (3)

  • 映画「あのこと」レビュー(私小説作家のポジショントーク) - jun-jun1965の日記

    アニー・エルノーの「事故」の映画化だが、製作はエルノーがノーベル賞をとる前である。私はエルノーのノーベル賞は、私小説は日だけのものではないことを知らしめるのに良かったと思って歓迎しているが、小説自体をさほど高く評価しているわけではない。 これは1950年代、まだ大学生のヒロイン、おそらくエルノー自身が、当時違法の妊娠中絶をする話で、ホラー映画風である。私は妊娠中絶には反対だが、それは、植物人間になっているのを殺してはいけないなら胎児も殺してはいけないだろうという論理的要請からそうしているので、前者は殺人だが後者は殺人ではないという人は論理的錯誤に陥っていると言うほかない。結局は、若いうちからむやみとセックスをするな、するならちゃんとコンドームを着けろ、と言うに尽きる。

    映画「あのこと」レビュー(私小説作家のポジショントーク) - jun-jun1965の日記
    Mozhaiskij
    Mozhaiskij 2023/05/24
    コンドーム付けても避妊失敗することはあるのだが。
  • 昔の孤独 - jun-jun1965の日記

    私には、テレビがない時代に人がどうやって夜を過ごしていたかは想像するしかない。都会なら近所の寄席へ出かけたりしただろうが田舎ではそれもないから、せいぜい近所で酒を飲むとか将棋を指すとかくらいしかない。 同じように、2000年ころからあとに生まれた人は、私らの若いころ、一人暮らしをしているといかに孤独だったかが分からないかもしれない。メールもないしネットもないしツイッターもないのである。 私が大阪で一人暮らしをしていたのは94年から99年の五年だけだが、最初の三年くらいはひどく孤独だった。大学の仕事を終えて帰ってくると、それから夜寝るまで誰とも話し相手がいないのである。たまに用事があれば人に電話できるが、用事がないと電話できない。メールは存在していたが私も周囲の人もやっていなかった。そのうち神経を病んで、夜中知り合いの編集者にファックスを送ったりしていた。は出したが仕事の依頼が全然なかった

    昔の孤独 - jun-jun1965の日記
  • 「子供屋」と「旅役者」 - jun-jun1965の日記

    近世の男色売春については、花咲一男の『江戸のかげま茶屋』が詳しいが、神田由築の「江戸の子供屋」(佐賀朝・吉田伸之編『シリーズ遊廓社会1』吉川弘文館)によると、歌舞伎が野郎歌舞伎になってから、歌舞伎役者が「子供屋」というのを経営して、役者の弟子の「子供」というのに売春をさせていたということが書いてあり、芝神明前、湯島天神などに店を開いていたという。それが近世後半になると「旅役者」と呼ばれるようになり、旅役者宿、というのが男色売春の置屋になり、「料理茶屋」というのが揚屋になっていたという。 これらは天保の改革でかなり一掃されるが、近世を通じて歌舞伎界と男色売春にはつながりが存在し続けたという。また寺と武家においても、寺小姓、武家小姓として男色者がいたので、それらには密接なつながりがあったともいう。大変面白い論文なので一読をお勧めする。 (小谷野敦)

    「子供屋」と「旅役者」 - jun-jun1965の日記
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