――レコードメーカーに守られながら技術を磨き、食べられるようになる……という道筋がなくなってきている中で、「20代のバンドがどうやって食べていくか」というのも今後の音楽シーンの大きなテーマになると思います。 石田:こういう状況になることはいわば時代の宿命。1982年にコンパクトディスクができた時点で運命づけられていたことで、僕もいずれはこうなると覚悟していました。ここで「CDが売れない」と嘆いていても仕方がない。 レコード会社を頂点とした“音楽経済ヒエラルキー”のピラミッドがあり、その外にテレビを中心とした大きなメディアがあって……という構造が崩れた以上、今までのやり方で音楽で飯を食っていくことなんかできるわけがありません。 けれど、音楽の需要自体がなくなったわけではなく、経済的な方法論が通用しなくなったということなので、新しいやり方を考えればいいだけです。僕もギター1本を持って全国