マーティン・ニューウェルは、グラフィックス・プログラミングのパイオニアのひとりである。1975年当時、彼は仕事で使う数学的モデルとして、適度に単純で親しみやすい物体を求めていた。自宅にあったティーポットをモデリングすることを提案したのは、彼の妻のサンドラ(Sandra Newell)である。 ニューウェルは、何枚かの方眼紙と鉛筆を持ってきて、目と手で茶器全体のモデリングの下描き[2]をした。それから研究所に戻って、グラフィック端末(直視型双安定ストレージチューブを使っていた)上のエディタで、ベジェ曲線の制御点を手動でモデリングした(よって、実物を忠実にスキャンした形状ではない)。カップや受け皿、ティースプーンもティーポットと一緒にモデリングされたが、広く使われるようになったのはティーポットだけであった。ミルク差しもまたモデリングされたというが、そのデータは失われたようである。 レンダリング