この時は、菅氏にとって絶好の解散機会でもあった。既に任期満了まで1年となっていたため、与党内では「菅新首相」が高支持率の勢いを活かして衆院解散に踏み切ることを公然と希望する声もあった。 しかし、菅氏はこの時、「折角総裁に就任したので、仕事をしたい」として、早期の衆院解散を見送った。歴史にifはないが、もしこの時仮に菅氏が解散総選挙に臨んでいれば、高支持率を背景に自公で3分の2に近い議席を改めて確保することで、より「仕事」をすることができただろう。 衆院選が昨秋に終わっていれば、次の大型国政選挙は2022年の参院選まで間があった。この間コロナ対応で大きく内閣支持率を落としていても、議員同士の党内力学だけで今秋の総裁選を乗り切り、参院選前にワクチンの普及やそれに伴う行動制限緩和などの恩恵を演出し、自身の指導力を国民世論に訴えるー といったシナリオも描けたはずだ。 菅氏は折角のロケットスタートを