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ブックマーク / zucce.hateblo.jp (4)

  • 『ヨスガノソラ』の方程式:「境界」「鏡像」「水と火」 - Zucce’s diary

    『ヨスガノソラ』は、「境界」「鏡像」「水と火」の三点に注目することで作品をシンプルに楽しむことが出来るではないでしょうか。 エロゲ原作で、ヒロイン毎のルート(しかもサブタイトルで明示される)となれば、そこで描かれるストーリーは約束された結末(=セックス)への序章(=前戯)にすぎないのかもしれません。勿論、ストーリーをしっかり追いかけキャラの心情を理解し作品を楽しむのが一番なのでしょうが、前記したような「どうせ最後には上手くいってセックスする話」の整合性を「言葉」でもって追いかける域には達していない私としては、登場人物の行動原理を「映像」から得られる情報をもとに推測し、逆算的にストーリーを追う方が得策だろうと思った訳です。 言うなれば「言葉」派が前戯からセックスを一連の流れのうちに行うなら、「映像」派は約束されたセックスの為に前戯をある種遡行的に試みるということです。行き着く先はどちらも同じ

    『ヨスガノソラ』の方程式:「境界」「鏡像」「水と火」 - Zucce’s diary
  • 『けいおん!!』物語の輸入を試みる貿易の軌跡 - Zucce’s diary

    日常がそもそもフィクションである 『ひだまりスケッチ』『らき☆すた』『みなみけ』そして『けいおん!』等々「日常系アニメ」と呼ばれる作品は多い。これらは、作品と視聴者がある種の共犯関係を結び作品内部における日常というイメージを共有する作品群だろう。 大きな共同幻想が持てない状況下だとしても可能な、これらの小さな共同体の物語の共有は、『作品内部に拡がりを持たない箱庭を構築すること』、『「私」的目線を持ち込まず傍観者に徹すること』などを条件に、箱庭内部でのルールに則り描かれるフィクショナルなストーリーを「日常」として扱い提供・享受することで成立する。 外部との接続のない閉じられた檻の中で描かれる出来事を「私」的目線なしに観察する訳だから、物語は発生しにくく(必要なく)、ケージの中の小動物をただ愛でられればいいというような需要に支えられ、日常系アニメはひとつのジャンルとして人気を得ている。つまり、

    『けいおん!!』物語の輸入を試みる貿易の軌跡 - Zucce’s diary
  • 『けいおん!!』目線の意識と演技する画面 - Zucce’s diary

    『けいおん!!』は、高校を卒業した後に楽しかったねと語られるような「美化された思い出」ではなく、今後そうなるであろう瞬間をキャラクターに体験させ、思い出になる出来事の瞬間=「今」を美化することなく描いていく作品だろう。アルバムを見返し(振り返り)ながら語られるような、ある種逆行的に選択された出来事の中を、キャラクターたちはそのことには無自覚で前進していく。 目線の意識から考える「大人の不在」 劇中でのエピソードは、何年後かに「装飾された思い出」になることの元ネタだ。ただ、作品内においては思い出による演出(補正)を受けていない現在進行形の出来事として描かれているので、かつて高校生だった人が自分の「装飾された思い出」と彼女たちの「今」を比べて見てしまうと、ぬるいとか甘いと感じられてしまう。恐らくそういったラッピングされた思い出から「かくあるべき」と彼女たちを規定する、所謂「大人」の目線はこの作

    『けいおん!!』目線の意識と演技する画面 - Zucce’s diary
  • 「Angel Beats!」想像力の方向性 -My song に呼応する Your Song- - Zucce’s diary

    はじめに この投稿は、「Angel Beats!」とは一体何だったのかを【構造】【ストーリー】【想像力】の三編で振り返るものであり、ストーリー的な謎解きをするというよりも作品自体が持つ大きな謎を探ることで、いかに自分を納得させられる物語を見つけ出すかを主たる目的とするものである。 構造編 「Angel Beats!」は、提示された謎をひたすら追っていくことで展開した物語である。言い換えるなら、物語の持つ「可能性」は冒頭が最も大きく、進展するに従いその「可能性」を物語の外部へと捨て去り、収束していくことでほとんど自動的に解決・終わりを迎えるような構造の上に成り立っている。 つまり、死後の世界の「謎」と「記憶喪失」である主人公:音無の目線を通し描かれる物語は、謎・記憶喪失であるが故、いかようにもなり得る可能性を孕んでいるが、ある時点で提示された条件に従い推察された物語の持ち得る可能性(例えば「

    「Angel Beats!」想像力の方向性 -My song に呼応する Your Song- - Zucce’s diary
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