『ヨスガノソラ』は、「境界」「鏡像」「水と火」の三点に注目することで作品をシンプルに楽しむことが出来るではないでしょうか。 エロゲ原作で、ヒロイン毎のルート(しかもサブタイトルで明示される)となれば、そこで描かれるストーリーは約束された結末(=セックス)への序章(=前戯)にすぎないのかもしれません。勿論、ストーリーをしっかり追いかけキャラの心情を理解し作品を楽しむのが一番なのでしょうが、前記したような「どうせ最後には上手くいってセックスする話」の整合性を「言葉」でもって追いかける域には達していない私としては、登場人物の行動原理を「映像」から得られる情報をもとに推測し、逆算的にストーリーを追う方が得策だろうと思った訳です。 言うなれば「言葉」派が前戯からセックスを一連の流れのうちに行うなら、「映像」派は約束されたセックスの為に前戯をある種遡行的に試みるということです。行き着く先はどちらも同じ