「空いている席に座っていただけますか?」 係員からこう声をかけられたのは、被告側代理人の唐澤貴洋弁護士だった。 傍聴席は立ち見NGだ。弁護士といえども、自身の裁判が始まるまで、どこかに座っていなくてはならない。ところが、一介の民事訴訟にもかかわらず、傍聴席はほぼ満員なのである。唐澤氏も困った様子だったが、結局金髪の男性の隣に腰を下ろした。この金髪の男性というのは、ITジャーナリストの津田大介氏である。 傍聴席には同業者が 2018年12月17日、東京地裁。原告は作家・投資家の山本一郎氏。被告は、カドカワとその川上量生(のぶお)社長。そしてその被告側代理人に唐澤弁護士。 裁判の詳細は、山本氏や川上氏らのブログ、あるいはほかのサイトの記事を読んでほしい。ネット業界注目の裁判はこの日、第1回口頭弁論期日を迎えた。 12時40分過ぎ。開廷30分前というのに、705号法廷の前には、すでに行列がで