「子供の玩具は安全性を考えて木製のものにした」という話を聞いたことがある。 私は、日本人は古くから木の家に住み、木とともに生活してきた訳であるから、木製のものを使っていれば、安全、安心に決まっている、と単純に考えていた。 ところが、以前、WHO傘下のIARC(国際がん研究機関)の評価で、グループ1(ヒトに対して発がん性が明らかなもの)のリストを見たときに、「木のほこり(Wood dust)」というものが入っていたことに、とても驚いたのである。 「木が発がん性?何かの間違いでは……?」 当時はそう思ったのであるが、これについて少し説明しよう。 木材の粉じんは気管の炎症やアレルギーの原因になるだけでなく、継続的に暴露すると鼻腔がんになることが知られている。英国のハドフィールドとマクベスの報告(1967年)以来、欧州と米国で行われた疫学研究によりヒトへの発がん性が証明され、IARCのグ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く