北海道の地震による大停電は復旧に向かっているが、今も約70万世帯が停電したままだ。事故を起こした苫東厚真火力発電所はまだ運転できないため、古い火力発電所を動かしているが、ピーク時の需要はまかないきれないため、政府は計画停電を検討している。北海道の電力は足りてないのだ。北海道の電力供給がぎりぎりで危険な状態にあることは、以前から多くの専門家が指摘してきた。 今回の大停電の直接の原因は、震源の真上にあった苫東厚真発電所が地震で停止したことだ。図のように苫東は北海道の電力網のハブのような位置にあり、3基で出力165万kWと北海道の最大消費電力380万kWの4割を発電している。これがすべて地震で停止したため、事故が同じ送電網の他の発電所に連鎖的に波及したのだ。 大停電が起こるときは徐々に起こるのではなく、一つの送電網のすべての発電所が一挙にダウンする。電力供給は「同時同量」で、つねに需要と供給が一