シリーズ 2021年電力ひっ迫 2020年末から2021年1月にかけての、卸電力市場の価格高騰は、とりわけ自社発電所をほとんど持たない新電力に大きな被害を与えた。そうした新電力の1つであるグリーンピープルズパワー代表取締役の竹村英明氏が、今回の価格高騰の原因としてどのような問題があったのか、独自の視点から指摘する。 1. 天然ガス在庫不足も需給逼迫も関係がない2020年12月26日から2021年1月27日まで、日本の卸電力市場(JEPX)は「異常な高騰」を連日続けていた。 市場での電気は発電原価ベースで取引される事が前提となっている。その額は5円/kWhくらいからせいぜい35円/kWhくらい。通常は最高値で15円/kWhくらいで、平均価格8円/kWhあたりで推移している。その最高値が1月6日には100円/kWhに達した。さらに1月12日には200円/kWhを超え、1月15日には最高値251