12世紀ルネサンス 12世紀ヨーロッパに起こった芸術、思想上の転換。イスラーム圏との接触からキリスト教的世界観に変化をもたらし14世紀のルネサンスの先駆となった。 12世紀の西ヨーロッパ世界において、それまでのキリスト教とゲルマン文化の結びついた中世文化が大きく変化し発展したことを12世紀ルネサンスという。主な内容は、スコラ哲学の隆盛、大学の出現、ゴシック様式の建築の始まり、騎士道物語の発生、吟遊詩人の流行などに現れている。 これらのヨーロッパ文化の新しい動きを、14世紀のルネサンスに先だつ動きとしてとらえ、12世紀ルネサンスと表現したのは1927年のハスキンズに始まるが、最近はその研究も深まり、内容も豊富となって「ヨーロッパの転換期」として重要性が増している。 → 14世紀以降のルネサンス 12世紀ルネサンスの契機と背景 その契機となったのは十字軍運動によってビザンツやイスラームの文化に