さて、こちらをご覧になった方で殊に好奇心の強い方は、小谷野敦氏の、提訴予告と称する、その実何の効力もない紙切れの写しがその後何を引き起こしたか、わくわくしながら待っておいでだろう。 実は2月28日深更、小谷野氏とtwitterを介して話す機会があったが、そこで驚くべき事態に遭遇した。小谷野氏は自分の送った内容証明には既に関心がない、という事態である。 事情をご存知ない方の為にざっと説明すると、私が、彼の「現代文学論争」について、知人約一名から、百箇所以上の間違いがある、との指摘を聞き、また別の方からは、web ちくまに場所を設けて、そうした杜撰な仕事の餌食にされた作家たちに小谷野氏を批判させ、以て本の無料広告としよう、という意図の産物だと聞かされたことを紹介したところ(担当編集者にして web ちくま編集長の山野氏の弁によれば、炎上戦略は取っていないとのことであった——信じるか信じないかは